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WordPressサイトを構築するといくらかかる? 見積り勉強会で価格を出してみた

1月 14, 2014 (神戸)

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2014/1/11のWordBench神戸勉強会のふりかえり記事です。
WordBench神戸では、WordPressの勉強会を月1回開催しています。今後の開催予定はこちらで告知しています。
イベント参加登録の管理はDoorKeeperで行っています。

WordPressでWebサイトを作るための構築事例や技術的なノウハウは世に多く出回っており、ネットで検索すればWordPressについてたくさんの情報を仕入れることができます。
しかし、


・誰かに頼まれて自分がWordPressサイトを構築する場合はいくらの見積りを出せばいいのか?
・Web制作会社にWordPressサイトの構築を依頼する場合はいったいいくらかかるのか?

これらについては情報が少なく、ノウハウもあまりオープンにされません。
 
WordPressの勉強会「WordBench神戸」では、今まであまり扱われてこなかった「見積り」にスポットを当て、体験型(ハンズオン形式)で架空の案件を見積ってみました。

IMG_1457

イベント告知ページ
第30回 WordBench神戸勉強会 WordPressサイトを見積もってよ!


 
 

架空の案件として、街の歯医者さんのWebサイトを構築します

この企画を最初に提案してくださった河村さん( @SORATOMO )が、気合の入った架空案件を用意してくれました。
・医院の新着情報有り
・院長ブログ有り
・お問い合わせフォーム有り
という典型的なWordPressサイトです。
 

要件


youken1


youken2


youken3


sitemap

PDF版はこちら→ 要件 サイトマップ
 
上記要件以外に、参加者からの質問・確認があったので追加仕様としてまとめておきます。

  • 小児科とインプラントを兼ねる歯医者は現実的ではないとの指摘がありましたが、インプラント業務もやってることにします。
  • 相見積りです。
  • 問い合わせフォームは、最後の完了画面は出さなくても良い。
  • 社内にプログラムできる人がいなければ外注してもよい。
  • 新着情報は医院からの公式のお知らせ、ブログは院長の日記的なものを書きます。

規模10人程度の中小Web制作会社の社員が見積を作成するという設定です。
 
 
 

チームに分かれて見積り!

40人ほどの参加者がおり、4人✕10チームに分かれて見積りを作ってもらいました。
経験者が1つのチームに偏るとバランスが悪いので分散してもらい、未経験者をサポートしてもらうように配慮しました。
作業開始前に以下のガイダンスを行いました。

140112-0001
「WordPressサイトを見積もってよ! ガイダンス」

 
見積価格を出すことはもちろん大事なのですが、その価格を出すにはそれなりの根拠が必要です。WordPressの仕様や技術的知識もある程度知っておかないと制作のイメージが湧かないため、見積額を正確に出すことができません。そのような技術的ノウハウや考え方もあわせて学習する機会になるよう配慮しました。
 
 

見積り結果

どの見積りが優れているかを投票形式で集計した結果、チーム「ドしろうと」が最も優れた見積りとして選出されました。
投票基準については、見積価格に競争力があるかどうかどうかだけでなく

・要件を満たしているか?
・発注者の立場で見て分かりやすいか?
・実現性、具体性、安心感

の要素についても5段階評価し、もっとも高い合計点を獲得したチームを優勝としています。
 
 
以下、各チームが作成した見積りです。
※これは架空の案件を元にした見積りシミュレーションの一例であり、市場の適正価格を定義したり誘導したりする意図はありませんので誤解なきようお願いします。
また、見積り未経験者もいる中60分で出した成果のため、アバウトなところは大目に見ていただければ幸いです。

1_IMG_1458 1_IMG_1459 チーム名:Ago-HIGE ¥372,750
作業日数は3日。(全チームの中でも最短)
2_IMG_1471 2_IMG_1472 チーム名:ガールフレンド(仮) ¥577,500
制作費の10%を進行・営業費として計上している。
3_IMG_1465 3_IMG_1466 チーム名:子連れ ¥760,000
対応ブラウザ要件がIE8以上ということなので、ブラウザごとの検証工数を5万円見積もっている。
4_IMG_1469 4_IMG_1470 チーム名:マニュアル大嫌い ¥932,400
独自テンプレート3種類を既に持っているので、そこから選んでもらう。
マニュアルはめんどくさいし作りたくないから、マニュアル作成費を高めの30万円に設定して顧客にあきらめさせる作戦。
仮に顧客がその額を出したとしても、外注して孫請け会社に作らせる。
5_IMG_1460 5_IMG_1461 【優勝】チーム名:ドしろうと ¥488,355
一般的なWordPressサイトの場合、見積額を30万円〜50万円くらいに収めるのが良いという経験則があった。安すぎると怪しまれるし、高過ぎると理由を聞かれる。
お問い合わせフォームにSSL採用。
別途、運用・保守費用の見積も作った。→ 運用・保守見積1 運用・保守見積2
6_IMG_1467 6_IMG_1468 チーム名:放出(untitle) ¥1,039,500
街の歯医者にSEOは必要ない。
代わりに折込チラシを制作をして配布する。(15万円)
Webサイトだけでなく、マーケティングを考えて最適なソリューションを提供している。
7_IMG_1476 7_IMG_1477 チーム名:ちこく ¥1,486,800
直感的には、全体で100万円くらいというイメージを持っていた。
一日の作業単価を高めの8万円に設定したため、見積額としては大きくなっている。
8_IMG_1478 8_IMG_1479 チーム名:さくら ¥600,600
デザインは2案作成する。
値切られた場合は、工数を削減できる「子ページ」にて作成する。
9_IMG_1480 9_IMG_1481 チーム名:ネイビー ¥250,000
新規サイト制作は赤字前提の価格。
新規開業する医院の懐具合を考えて、初期費用を抑えた。
今後の長い付き合いの中で、運用・保守費用としてコストを回収できれば良いと考えている。
10_IMG_1473 10_IMG_1474 チーム名:ジャーマニー ¥186,900
まず時間単価を定義し、構築にかかる時間を掛けあわせて見積りを算出している。(1時間あたり4000円の単価で作業時間は44時間)
中でもHTMLのコーディングは8hと短め。
マニュアルはA4 2ページ
レスポンシブ対応

 
 
 

ハンズオンを終えての感想

今回の架空案件は、WordPressではよくある制作事例です。ほとんどのチームが以下のような構築プランで考えていました。

新着情報 新しく「カスタム投稿タイプ」のエントリを作って実装。
(ただし、月別アーカイブは技術的に難しいので実装しない方向で調整すべき)
院長ブログ デフォルトの「投稿」機能で実装。
お問い合せメールフォーム 確認画面がない「Contact Form 7」プラグインで実装。
(確認画面が必要な場合は他のプラグインを探す必要がある)
その他のページ 固定ページで実装。

 
 
以下、ハンズオンを通じて気づいたことです。

見積り

  • 同じ要件でも、チームによって見積額に18万円〜148万円の開きがでました。この結果から、典型的なWordPressサイトの見積りでも現状はまだまだ標準的な見積手法が確立されていないことが分かります。そして制作者の間でも、はっきりした相場観がまだ浸透していないのではないかと思います。
  • 発注者の財力を見極めて、同じ要件でも見積額を変えるというスタンスの人が多くいました。例えば同じ歯科医でもインプラント専門の歯医者は儲かるため見積額を高めに設定するという具合です。
  • 見積の計算において、「1日=○円」という作業単価を基準にして、かかる日数を積み上げて出す方式のチームがありました。また「1時間=○円」という時間単価を基準にして見積りを出すチームもありました。人月(人日)計算ではなく、ページボリュームとか技術的難易度を基準に計算したり、ディレクション費を一定の割合で積算するチームもありました。
  • 作業工数は概ね10日〜20日くらい、顧客に告げる納期は1ヶ月としたチームが多かったようです。
  • 初期構築コストとは別に、運用・保守の費用が必要というチームが多かったです。年額10万円〜20万円くらいに設定した例が多く見られました。
     運用・保守内容としては「サイトのバックアップ」「電話サポート」「コンテンツ更新」などです。
  • リアル歯医者に聞いたところ、200万円くらいの構築事例もザラにあるということでしたので、そういう意味では今回はどのチームも良心的な価格だったと言えそうです。
  • いつも仕事で使っている自前の「見積計算シート」を持ち込んで、それに今回の架空案件の要件を当てはめて見積額を計算しているベテランもいました。

 
 

実装方法

  • スマートフォン対応はレスポンシブWebデザインを採用するチームが多く、WPtouchなどのスマートフォン用プラグインを使用するチームは皆無でした。もうスマートフォン用プラグインは時代遅れになってきているのかも知れません。
  • 使い方マニュアルの作成は気が進まない人が多かったようです。できれば作りたくないそうです。みなさん構築が大好きです。
  • 実績のある制作会社は自前でWordPressのオリジナルテーマを用意しており、それを組み込んで工数短縮するなどの工夫が見られました。

 
 

イベント全体

  • この要件ボリュームで60分という見積作業時間は短かったようです。もっとシンプルな架空案件で出題したほうが良かったかも。
  • しかし、時間が短かかっただけに濃密な時間を体験できたようです。
  • 見積りをしたことが無い未経験者にとって、この見積り作業は刺激的だったようで、経験者からたくさんのアドバイスを吸収していました。
  • 最後に設けた各チーム5分の発表時間については、「5分では短いのでもっと多く時間を割いてほしかった」という声が聞かれました。

 
 

おまけ

今回の歯医者の架空案件については、当初はもっと多くのサイトコンテンツを含めていました。
しかしこのボリュームでは大きすぎてイベント時間内では消化しきれない懸念があったため、絞り込んで今の形になりました。
その当初案件についてもせっかくですので公開しておきます。

「架空案件やのにどこまで本気出すねん…」といった内容になっております。
 
 

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WordBench神戸は月1回開催です

最後に、WordPressの神戸の勉強会「WordBench神戸」は月1回開催しております。
今後の日程などイベント情報はグループの掲示板に掲載しております。
http://wordbench.org/groups/kobe/

 
 

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WordPressサイトを構築するといくらかかる? 見積り勉強会で価格を出してみた への返信11件

  1. 林 亮 の発言 (1月 14, 2014)

    はじめまして。このようなやり方の勉強会では以下の理由により意味がないと思います。

    ・依頼主の予算感や運用に対する具体的な数字がでていない
    ・依頼主とのすり合わせができていない
    ・案件を段階的に進める事が想定されていない

    見積は依頼の背景がクリアになって初めて価格の適正が評価可能になりますので、本件のようなスタンスで”典型的なWordPressサイトの見積りでも現状はまだまだ標準的な見積手法が確立されていないことが分かります”とコメントしてしまうのは「無限に広がる土地に家を建てるならこんな設計」って提案を複数並べて「いやー予算と間取りがバラつきましたね。これはまだ建築設計に標準的な工法が無いことを示しています」とコメントしてしまうことと同意で、見積金額がばらつくのは自明です。

    また、金額の多寡は状況に依存しますので普遍的に評価することは難しいと思います。逆説的に言えば平均的な価格よりも多少高くとも依頼主の満足度が高ければそれはそれで適正価格と言えます。つまりこのような勉強会は金額ありきではなく依頼主との関係性ありきで取り組んだほうがより発展的なものになるのではないかと存じます。

    例えば持ち回りで依頼主をロールプレイし、参加者のヒアリングや提案を評価するような方法です。その延長線上に具体的な金額を出すのであれば依頼主役の方は最初から予算や運用方針など現実に則した具体的指標を踏まえて取り組むとリアリティが増してこちらの勉強会が考えておられるのであろう分野へのアプローチにもつながるのではないかと存じます。

  2. なるほど、ご意見ありがとうございます。 もっと精進します。

    「金額の多寡は状況に依存する」という考え方は僕に欠けていた視点です。
    林さんの言うように、そこをもっと確認しないと、正確な見積りを出せないと思います。

    僕はもっと単純に考えていました。

    例えば、缶ジュースの値段は120円です。
    「缶ジュースの値段は一般的にはいくらですか?」と聞くとほとんどの人は「120円」と答えるでしょう。
    そこには質問者と回答者の間の暗黙の了解があって、
    「富士山の山頂やスキー場で売っている値段を言っているのではない」
    「貨幣価値は1ドル=100円とする」
    というような細かい前提がなくても答えられます。
    僕は、Webサイトの見積はまだそこまで共通の認識が浸透していなくて、人によって前提が違うので「細かい前提の確認がないと見積もれない」という状況なんだと思っています。
    そういう意味で「標準的な見積手法がまだ確立されてない、はっきりした相場観が浸透していない」と書きました。
    拙い説明のせいで気を害されたら申し訳ありません。

    「依頼主をロールプレイする」ていう考え方、興味深いですね。時間があればそういうことも出来るかも知れません。参考にさせていただきます。

  3. はじめまして。記事を拝見させて頂きました。

    見積もり手法についてですが、ソフトウェア開発においては、Function Point法を使った、開発言語やフレームワーク、パッケージに依らない、開発要件を抽象化して開発規模の定量計量するやり方があります。
    日本ファンクションポイントユーザ会(http://www.jfpug.gr.jp/)もあります。
    難易度や複雑さなどの定性計量については、COCOMO IIなどの手法があります。

    Webサイト制作も、ソフトウェア開発の一部ですから、まずはFunction Pointのような定量化手法を取り入れてみては如何でしょうか?
    そうすれば、今回のチームごとの見積額の違いを見る際に、共通の「ものさし」があるため、

    ・チーム毎の要求仕様の解釈の違いによる開発規模の認識の違い
    ・チーム毎の1 Function Pointあたりの金額

    が計算できるようになるため、比較ができるようになります。
    この数値が出ることで、それぞれのチームの1FPあたりの金額の違いがどこに起因しているのかを比較する土台も出てきます。
    (高い、安いという話ではなく、どこに付加価値を置いているか、という話で)

    海外でのFunction Point法をWebサイト開発に適用する考え方の資料のリンクを以下に記します。

    IFPUGの2000年の年次総会での発表資料
    http://www.charismatek.com.au/_public4/pdf/webfsm.pdf

    この分野で著名なCapers Jones氏による新しいビジネスモデルへのFunction Pointの適用について
    http://www.gilb.com/dl185‎
    「Opportunity 35. Web site Analyses」として入っています。AmazonのWebサイトのFunction Point数など、興味深いデータが入っています。2008年の資料。

    同じくCapers Jones氏の2013年7月に出した資料。
    http://namcookanalytics.com/wp-content/uploads/2013/07/Function-Points-as-a-Universal-Software-Metric2013.pdf
    「Topic 16: Function Points and Software Outsource Contracts」という箇所が、今回のような見積では参考になると思います。

    WebMLをベースにFunction Pointを自動計算するやり方について
    http://www.webml.org/webml/upload/ent5/1/FP06.pdf
    ソフトウェア開発の設計言語としてUMLがありますが、WebやWeb Applicationについては、WebMLというものがあります。
    WebMLでサイトの設計をした際に、そのデータを利用して、Function Pointを自動計算させようという考えです。

    こちらは、Web制作会社のようなクリエイティブ系向けに作られたFunction Pointによる見積もり管理からプロジェクト管理、請求処理までやってくれるSaaS。
    http://www.functionpoint.com/

    探せば、他にも色々あるので、是非検索してみて下さい。

    尚、見積もりとは関係がないのですが、一点気になったのが、スマートフォン対応にレスポンシブデザインを採用するチームが多かったという事で、もしそうした場合、遅くてどうにも使えないサイトになる可能性が大です。
    現状、3G回線で、5秒以内に表示させようとした場合、100KB以内にページサイズを収めないといけません。レスポンシブデザインを採用している所は、往々にして1MBを超えているので、30〜90秒ぐらいかかります。ご参考までに。

  4. 野口 の発言 (1月 15, 2014)

    私は、素晴らしい勉強会だと思いす。
    この勉強会自体の企画自体とてもおもしろいし、こうして様々な見積もりが出てくること自体が、私にはとても勉強になりました。
    準備から運営〜レポートまで大変だったと思いますが、こうして情報を共有していただき、ありがとうございます。

    私は外国に住んでいます。
    見積もりというのは、「正解」があるわけではなく、相手が「いくらでできるか」「いくらでやりたいか」の表明であると思いますので、仮に目的が「見積もりを一致させること」にあるとしたら、それにはあまり意味が無いように思います。

    しかし、日本人の間では、それが歓迎されるというか、「思い」や「考え」ではなく、「正しいか正しくないか」の世界をゴールとする文化がありますよね。

    金額だけに限って言えば、このように考えるのは、恐らく、日本では「定価」という企業戦略が、ものすごく浸透しているためなのでしょうね。そして、それ以前に、正解教育。

    「定価」という概念は、諸外国にはないことの方が多いと思います。
    あるのは「いくらで売りたいか」「いくらだったら売ってもよいか」という主体的な考え方です。

    「定価」を決める=標準化するのは、画一的に決められる⇒考えなくて良い⇒時間の省略になる⇒大量生産を加速することができる、などの利便性のためであり、標準化を目的としてしまうのは、違うかなと思いました。

    あくまで、私の意見・感想すので、悪しからず、ご了承ください。

    最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。

  5. sawaki の発言 (1月 16, 2014)

    WordBench神戸勉強会に参加したいのですが申し込みフォームなどないのですか?

  6. はじめまして。記事を拝見させて頂きました。

    見積もり手法についてですが、ソフトウェア開発においては、Function Point法を使った、開発言語やフレームワーク、パッケージに依らない、開発要件を抽象化して開発規模の定量計量するやり方があります。
    日本ファンクションポイントユーザ会(http://www.jfpug.gr.jp/)もあります。
    難易度や複雑さなどの定性計量については、COCOMO IIなどの手法があります。

    Webサイト制作も、ソフトウェア開発の一部ですから、まずはFunction Pointのような定量化手法を取り入れてみては如何でしょうか?
    そうすれば、今回のチームごとの見積額の違いを見る際に、共通の「ものさし」があるため、

    ・チーム毎の要求仕様の解釈の違いによる開発規模の認識の違い
    ・チーム毎の1 Function Pointあたりの金額

    が計算できるようになるため、比較ができるようになります。
    この数値が出ることで、それぞれのチームの1FPあたりの金額の違いがどこに起因しているのかを比較する土台も出てきます。
    (高い、安いという話ではなく、どこに付加価値を置いているか、という話で)

    海外でのFunction Point法をWebサイト開発に適用する考え方の資料のリンクを以下に記します。

    IFPUGの2000年の年次総会での発表資料
    http://www.charismatek.com.au/_public4/pdf/webfsm.pdf

    この分野で著名なCapers Jones氏による新しいビジネスモデルへのFunction Pointの適用について
    http://www.gilb.com/dl185
    「Opportunity 35. Web site Analyses」として入っています。AmazonのWebサイトのFunction Point数など、興味深いデータが入っています。2008年の資料。

    同じくCapers Jones氏の2013年7月に出した資料。
    http://namcookanalytics.com/wp-content/uploads/2013/07/Function-Points-as-a-Universal-Software-Metric2013.pdf
    「Topic 16: Function Points and Software Outsource Contracts」という箇所が、今回のような見積では参考になると思います。

    WebMLをベースにFunction Pointを自動計算するやり方について
    http://www.webml.org/webml/upload/ent5/1/FP06.pdf
    ソフトウェア開発の設計言語としてUMLがありますが、WebやWeb Applicationについては、WebMLというものがあります。
    WebMLでサイトの設計をした際に、そのデータを利用して、Function Pointを自動計算させようという考えです。

    こちらは、Web制作会社のようなクリエイティブ系向けに作られたFunction Pointによる見積もり管理からプロジェクト管理、請求処理までやってくれるSaaS。
    http://www.functionpoint.com/

    探せば、他にも色々あるので、是非検索してみて下さい。

    尚、見積もりとは関係がないのですが、一点気になったのが、スマートフォン対応にレスポンシブデザインを採用するチームが多かったという事で、もしそうした場合、遅くてどうにも使えないサイトになる可能性が大です。
    現状、3G回線で、5秒以内に表示させようとした場合、100KB以内にページサイズを収めないといけません。レスポンシブデザインを採用している所は、往々にして1MBを超えているので、30〜90秒ぐらいかかります。ご参考までに。

  7. katsuki の発言 (1月 16, 2014)

    初めまして、このような取り組みは非常に大切でとても有効な行いだと思います。
    以前から気になっていたのですが、「最低賃金法」など設定するべきだと思います。
    「仕事」として依頼なのであれば依頼者がお金を払うのは当然の事ですし、時給換算して最低賃金法を下回れば単純作業のアルバイト以下の扱いと変わりません。
    やりたいからやらせている、だから安くしろという顧客の値引き術が正しいのであれば、世の中のビジネスは全て成り立ちません。
    世の中には自分の為にサービスをしていると本気で思っているような方もいます。
    横の繋がりがある方がこういった取り組みを行うのは本当に良い事だと自分は思います。

  8. 望月聡 の発言 (1月 17, 2014)

    とてもおもしろい試みでなるほどと感じました!!!!
    こういう試みはためになり、ホームページ業界の価格の安定に繋がりそうです。
    素晴らしい企画と思いました!!

  9. > sawakiさん
    WordBench神戸の勉強会は、イベント毎に申し込みフォームを作成しています。
    新しいイベントが計画されたらこちらにて案内していますので、ときどきチェックしてみてください。
    http://wordbench.org/groups/kobe/
    書込があればメールで通知を受け取ることも可能です。(ただしwordbench.orgにメンバー登録が必要)

  10. > 竹洞さん
    ご丁寧にどうもありがとうございます! Function Point法ですか。すごく参考になります!(難しいですが…^^;)
    確かに、こういう定量的な計算手法があるんだから、Webでも適用できそうですね。

    Function Point法の用語の初心者向けの解説はこのへんですかね。
    情報マネジメント用語辞典:ファンクションポイント法(ふぁんくしょんぽいんとほう)
    http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0504/27/news126.html

    レスポンシブデザインについては、たしかにおっしゃるとおりです。Web界隈でも「この手法は流行りだが長続きしないだろう」と考えている人が多くいます。レスポンシブデザインは制作者サイドの工数も大きくなってしまいがちなので、もっと効率的で良い方法が編み出されるかも知れません。

  11. 非常に興味深く読ませていただきました。

    自分のブログもワードプレスで構築しているのですが、ちょうど友人から「ワードプレスを使って簡易サイトを立ち上げるのにいくらかかるか?」と相談されていて、適正金額が分からずに困っていたところでした。

    私が依頼されたケースでは「予算は10万円」と言われていたので、自分はその話は断ったのですが、
    (構築するだけなら良くても、その後のサポートで手間がかかることが目に見えていたので・・・。)
    各チームが算出した金額を見て、自分の判断は正しかったのかな、と思った次第です。

    非常に参考になる記事をありがとうございました。

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